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2007年5月号

橋梁架設工事における失敗事例

1.間詰めコンクリート型枠パンク

  プレテンション方式単純中空床版桁橋の施工を行っていた。幅員を確保するために設計値+20となるように架設計画を行った。歩車道境界が現場打ちとなっているため、桁に差筋がされています。したがって、その桁は設置位置が決められているため、中桁は設計どおり設置し、図―1の断面図に示すように耳桁のみ10mm外側へずらし調整したということです。その結果、桁の間詰めコンクリート打設時に耳桁支間中央部で底枠に使用していたプラスチック型枠が脱落した。

図−1 断面図

  この失敗の原因は、コンクリート打設時の側圧が桁に作用し、桁間隔がさらに広がりプラスチック型枠が荷重に耐え切れず脱落したと考えられる。中桁については隣接桁が反力になるが、耳桁は反力がないため、対策としてワイヤーロープで広がらないように引っ張っていた。しかしコンクリートの打設順序を徹底していなかったため、耳桁に隣接する中桁が内側に押され、桁間隔が広がる結果となってしまった。
  外れた型枠を直すために、打設済みの周囲のコンクリートの撤去、型枠の再設置、支保工の設置、漏れたコンクリートの処分と余分な手間がかかってしまった。

2.地覆ネジ込み鉄筋が入らない

  これもプレテンション方式単純中空床版桁橋の施工でのことであった。道路の線形が曲線になっていたため、地覆コンクリートが桁から大きく張り出す構造になっていた。その部分の鉄筋は図―2に示すように定着部分がネジ加工され、桁に予め埋め込まれたインサートアンカーに取り付けられる設計であった。
  桁架設後、横組工を行い地覆工に取りかかり、まずいことに気が付いた。橋は図―3に示すように斜角がついていたが、インサートは桁の側面に対して直角に設置されているため、橋台のパラペット及び橋座面のコンクリートが支障し端部から3箇所はネジ込み取り付けができないのである。この部分については桁架設前に取り付けておくべきであったがすっかり失念していた。
  対角側とあわせて6ヶ所の事後対策について発注者と協議を行い、あと施工アンカーで対応したが、対応策が決定するまで工事がストップしてしまった。

図−2
図−3

3.地覆かぶり不足

  橋梁上部工工事であった。施工に先立って下部工の出来形を確認したところ、沓座面の基準高はほぼ設計どおり、橋台部の地覆の天端高は−10mm以内と下部工の出来形としては規格値内であった。沓座モルタルの出来形不足とならないよう規格値内いっぱいに、沓座高さを設計値−5mmとして施工した。
  桁を架設したところ、図−4に示すように地覆鉄筋の天端のかぶりが設計値30mmに対して15mmとなってしまった。原因は桁に埋め込まれている地覆鉄筋が桁端部で設計よりも10mm程度高くなっていた。

図−4

  結局、桁の地覆鉄筋を台直しするとともに、橋台部との段差を覚悟し、桁端部の地覆コンクリートを橋台部の地覆よりも5mm程度高く打設し、かぶり30mmを確保した。
  下部工と上部工の規格値の整合性がないために発生する不具合であるが、不具合が発見された時点で発注者と協議をし、沓座をもっと下げる等の対処をするべきであった。また、桁の出来形及び現地との整合性ついても事前に十分検討しておくべきであった。

4.あわや踏み切り事故

  クレーンで橋梁PC桁(桁長18m、本数は15本)を架設する工事であった。架設状況を図−5に示す。
  図のように桁を積んだトレーラーが踏み切りを越えて後進し、クレーンで桁を吊り上げ架設を行っていた。その際、トレーラー全長が23m程度あるため、踏み切りを後進で通過するのに20秒程度かかっていた。そのため、踏み切り通過は列車の時刻を確認しながら誘導していた。

図−5 架設平面図

  架設も半ばを過ぎ次のトレーラーを誘導し、踏み切りに差し掛かる時だった。時刻表にないのに警報機がなり遮断機が降り始めたのだ。あわててトレーラーを制止し、列車の通過を待っていたところ、特急列車が通過した。実は、持っていた時刻表は近隣の駅で配布されているもので、特急列車が停車しないため時刻表に載っていなかったのだ。
  ヒヤッとしたが、特急列車は一日数本しかなく、次の特急列車が通過するまでは架設工事も終了するため、時刻表を確認しそのまま工事を続行した。ところが、またトレーラーを誘導中に警報機がなった。特急列車のはずはないと思いながら待っていたら、なんと貨物列車であった。後で確認したら一日1本運転されていた。
  今回は、2回とも運良くトレーラーが踏み切りに差し掛かったところで警報機がなったため大事には至らなかったが、トレーラーの中間が踏み切りに差し掛かっている状態で警報機がなっていたらと考えるとぞっとする。列車衝突までは行かなくとも、遮断機を破損していた可能性が高い。また、たまたま発注者が現場に来ていたため、厳重注意を頂戴してしまった。



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